タンジェント(tan)の不等式の解き方を紹介します。
問題
$$ 0^{\circ} \leq \theta \leq 180^{\circ} において$$
$$\tan \theta \leq \sqrt{3}を解いてください。 $$
(【注】すみませんが不等号≦のイコールの横棒が1本消えてますので書き足して読んでください。)
手順1 単位円上でタンジェントが現れるところはどこかふりかえります。(すでにご存知でしたら略してください。正確には単位円の外側ですが。)
xy平面で、原点中心、半径1の円、すなわち単位円上で考え、この不等式の問題を解決することにします。(ほかにも方法はありますが、まずは1つ方法を身につけていただきたいです。)
では、単位円のどこでタンジェントは現れるかというのを知っておかないといけません。詳しくは、以前の記事でお伝えしましたが、もう一度ふりかえっておきます。
事前に直線x=1を引いておきます。(x=1のところの、y軸に平行なタテ線)
$$\tan \theta $$がこの平面上にどこに現れるかといいますと、
点Pが点(1,0)をスタート地点にして円周上をθ反時計回りに回ります。
回転後の点Pと原点Oを結んだ直線OPを延長させて直線x=1と交わらせます。(ぶつからせます。)
その交わった点、交点をTと名付けるとこの点Tはx座標は1ですが、(直線x=1の上にあるからです。)y座標が$$ \tan \theta $$でございます。
したがいまして、もう一度、今解こうとしている不等式を書きますと、
$$\tan \theta \leq \sqrt{3} $$
この不等式を解こうとしているのですが、この不等式を頭の中で(答案には書かないで、計算用紙ならいいと思います。)
点Tのy座標が ≦ √3 (点Tのy座標がルート3以下のときのθを答える)
と読みかえて考えていくと良いです。
手順2 点Tのy座標の条件をxy平面に書き加える
不等式を
点Tのy座標が ≦ √3 (点Tのy座標がルート3以下のときのθを答える)
と読みかえたのですから、この読みかえにしたがって、直線x=1上の中で、点Tがいてもいいところ、(この問題ですとルート3以下)を太線などで明確にしていくと良いでしょう。
いま太字にしたところ(上の図では赤く塗りました)に点Tがいれば不等式を満たします。
それでは、点Tがこの範囲にいるようなθを指定された範囲0度から180度までで探していきます。
指定されたθの範囲で該当するθ(あてはまるところ)を答えていきます。0度から順に探していくとモレがないです。
イメージとしては点Pを0度、10度、20度、・・・と徐々に回転させていき、その都度
その時の点Tが指定された範囲に入っているか確認していきます。
すると、ちょうど点Tが√3になるところが現れます。
これは辺の比を利用すると、30度と60度のほうの三角定規の直角三角形が登場しますから、θが60度だと分かります。
60度をこえると90度まで点Tは√3をこえてしまいますのであてはまりません。(90度のタンジェントはそもそもないですね。)
90度を少しでもこえますと、今度は点Tはx軸より下、y座標がマイナスのところに現れます。√3以下という条件を満たしていますので、答えに入ります。
180度まで回していくとずっと√3以下の条件をみたします。答えがもう1つ見つかりました。
したがって、求める答えは
$$0^{\circ} \leq \theta \leq 60^{\circ}, \ 90^{\circ} < \theta \leq 180^{\circ} $$
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